般若心経
当時小学生くらいだったと思うのだが、意味も解らず繰り返し暗唱した「般若心経」は大人になった今でも諳んじることができる。正直なところ、自分には特に信仰している「宗教」はないのだが、「般若心経」について調べてみたことのメモ。
般若心経とは
Wikipediaには、以下のように記載されている。
- 『般若心経』は、大乗仏教の空・般若思想を説いた般若経の1つともされる経典。
- 仏教は、インドの釈迦を開祖とする宗教で、紀元前後、単に生死を脱した阿羅漢ではなく、一切智智を備えた仏となって、積極的に一切の衆生を済度する教え(大乗仏教)が起こる。
- 阿羅漢 (あらかん)は、仏教において、尊敬や施しを受けるに相応しい聖者のこと。
- 一切智智の智とは、決断した上で、選びとること。仏教における最高の智恵のこと。
- 衆生(しゅじょう)は、生命あるものすべて。
- 済度(仏教用語)は、救済,度脱の意味。仏や菩薩などが迷妄のなかにある衆生を導いて悟りの境界にいたらしめること。
- この般若心経は、唐代の中国の訳経僧である玄奘三蔵訳を元にした流布本。玄奘(げんじょう)は、629年に陸路でインドに向かい、巡礼や仏教研究を行って645年に経典657部や仏像などを持って帰還。インドへの旅を地誌『大唐西域記』として著し、これが後に伝奇小説『西遊記』の基ともなった。
西遊記の『三蔵法師』は知っているが、『日本では中国の伝奇小説『西遊記』に登場する人物「三蔵法師」として特に有名だが、三蔵法師というのは一般名詞であり、尊称であって、固有名詞ではない。西遊記の三蔵法師(玄奘三蔵)は数ある三蔵法師のうちのひとりである。』ということは知らなかった。
般若心経の意味について
以下は、般若心経にでてくる単語の意味などを元に、その意味について調べてみたことのメモ。
- 観自在菩薩;昔から広く民衆に親しまれている菩薩様で、観音様のこと。
- ぼさつ(菩薩):仏の次の位のもの。みずから菩提(ぼだい)を求める一方、衆生(しゅじょう)を導き、仏道を成就させようとする行者(ぎょうじゃ)。
- ぼだい(菩提):煩悩(ぼんのう)を断って悟りえた無上の境地。
- 仏:あがめの象徴。
- 波羅:元はサンスクリット語で「彼岸(ひがん)」のこと。あの世。
- 蜜多:~に到る。
- 照見:わかった。
- 五蘊:色・受・想・行・識のことで、人間の心身を構成している五つの要素。
- 皆空:皆は「すべて」、空(くう)は仏教用語で「実体がないこと」の意。
- 度一切:度は「渡す」、一切は「全て」。
- 苦:思い通りにならないこと。
- 厄:災いの意。
- 舍利子は、釈迦の十大弟子の一人で、釈迦弟子中では「智慧第一」
- 色(しき):仏教用語で「形あるもの」の意。五蘊(ごうん)の1つ。
- 亦復如是:「~も同じ」の意。
- 亦:「また」の意。
- 是諸法:この世の中の存在や現象。
汚いということもなければ綺麗というものではく、
増えることもなく減ることもない。
すなわち、実体がない。
- 眼界(げんかい):「色(形)」を眼で見ること。
- 乃至:~から~に至るまで。ついに。
- 意識界(いしきかい):「意(心)」で感じること。
- 無明(むむみょう):悟りに対する無知。
- 無明尽(むみょうじん):無明(悟りに対する無知)が尽きる(なくなる)。
- 苦(く):思い通りにならないこと。
- 集(じゅう):(苦の元である)迷いの集合。
- 滅(めつ):(苦を)滅すること。
- 道(どう):理想の状態に到るまでの道。
- 以:~をもって。かくて。
- 無所得:得ることもない。
- 故:~だから。ゆえに。
- 菩提薩埵:悟りを求めている者。
- 依:~により。
- 般若波羅蜜多:彼岸に到る本質的な智慧(般若)。
- 智慧:世の中のあり方や現象の深い知識。
- 罣礙(けいげ):覆うもの。
- 無有恐怖:恐れがない。
- 遠離:遠く離れていること。
- 顛倒:事実をひっくり返したようなものの見方。
- 究竟(くうぎょう):行き着く。
- 涅槃(ねはん):揺ゆらぐことのない心の境地。
- 三世(さんぜ):過去・現在・未来。
- 諸仏(しょぶつ):正しく目覚めたものたち。
- 得:~を得る。
- 阿耨多羅三藐三菩提:この上のない悟り。
- 是:これ(=般若波羅蜜多)。
- 神:神(仏)。
- 呪;真言・マントラ。
- マントラ:宗教的には讃歌、祭詞、呪文などを指す。
- 明:悟り。
- 無上:この上のない。
- 無等等:比較するものがない。
- 能:効く。
- 除:取り除く。
- 一切:全て。あらゆる。
- 不虚:妄想。虚妄苦。
- 即:すなわち。
- 説:説く。述べる。
- 曰:曰く。
- 不虚:妄想。虚妄苦。
- 羯諦:悟り(羯:彼岸)に向かい往く(諦)。
さいごに
般若心経について調べていると、般若心経の現代語訳というものを見つけた。自分なりに一節毎の意味などを調べてみた後でこれを見ると、なんとなくだが、結局はこんな感じのことを言っているのかなぁという気になる。
生きていれば楽しいことや嬉しいことばかりではなく、悩んだり、一生懸命足掻いてもなかなか前に進まない時だってある。『色々と苦しい時があるかもしれないが、所詮、世の中(此岸)には実体のあるものなんてない(その苦しみの対象自体にも実体なんてない)ということが理解できれば、悟りを開く(彼岸に達する)ことができるよ』というのが、「般若心経」で述べていることを自分なりに整理してみた結果である。
どうせ空っぽの世の中でこれからも生きていくのなら、失敗や苦しんだり悩んだりすることを恐れることなく、自分の思うように思いっきり生きていきたい。
般若心経
(参考:VOICEROIDでの読み上げ)
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